個人レッスン

担当:田代俊文、増井信貴、三原明人、三河正典、他

田代俊文

例えば楽器や声楽などであれば、レッスンの進度が楽曲の難易度などで比較的明確にわかります。ところが指揮ではこれがとても見えにくいのです。指揮をするという身体の行為は、物理現象の応用と言えるのですが、それが音楽の理解とどれほどリンクしているのかを考えると、非常に難しくなります。しかし不思議なことに、しっかりと身についていないことは他者からすぐに見破られてしまうのです。レッスンはその「身体行為」と「理解」の間を行きつ戻りつしながら進めていくことになります。学生の中にはすぐにできる人、一端できてもまた元の状態に戻ってしまう人など、様々な人がいます。しかしその瞬間瞬間に「信じられるもの」を見つけ、音に繋いでいくことができるようになれば、必ず音符が自然と自分の方に飛び込んでくるようになるはずです。そのためにも音楽だけを学ぶのではなく、それらの背後にある歴史やアートなどにも着目して学ぶ、そんな学生となって欲しいと願っています。
 

 

 

増井信貴

いま世界中がコロナ禍にあり、苦悩の日々を送っています。私たち演奏家、そして教育機関のひとつである大学もその渦中にあります。この状況下で大学教育はいかにあるべきかを考え続け、様々な方策を練っています。たとえそれが困難な道であったとしても、私たち指揮専攻は希望の光を見出し、家族的な繋がりのもと、教員、学生が協調しながら学びを進めていきたいと願っています。そして「今だからこそできること」を工夫して探し出し、実技同様、本を読み知識を得たり、先達たちの名演奏のアーカイブに接して本物の教養を身につけていきたいものです。音楽の勉強においては時代ごとに異なるバックグラウンドを学ぶことも重要です。学生諸君においては、他の芸術分野や歴史などに自ら進んで関心を持ち、学ぶ姿勢を見せて欲しいと思います。
 

 

 

三原明人

指導で目指すところは、指揮者とはどういう仕事であるかを理解させること、そのために必要な技術の習得と人間形成造りです。学生に心掛けて欲しいのは、大学4年間だけでそれら全てが学び切れるものではなく、自分自身で一生学ばねばならないということ、そのために必要な方法を身につけて欲しいということです。何を学び、できるようになるかは学生次第でいかようにも変わるでしょう。常に自分が何をどうしたいのかを自らに問い続けることです。その解決に必要なヒントを私たち教員は用意しています。

三河正典

学生一人ひとりに合わせた課題を選び実施させる。学生らに答えを与えるのではなく、各自が意思をもって「今自分が何をやらなければならないのか」ということを探していけるような指導をする。学生にはレッスン時間以外の時間をいかに有意義に過ごすか考えてほしい。指揮の基本、応用、実践を学ぶのはもちろん、音楽にどのように向き合うのか、学生同志がどのように切磋琢磨していくのか、音楽以外の生活についてもおろそかにしないでほしいと考えています。